無事に手術を終え、小さなベッドに手術着で眠ったまま部屋に帰ってきた息子を見て安心し、ウルっときました。
手術終了~入院生活
30分ほどで目覚めた息子はとても元気で、痛みも全くないとの事でした。
全身麻酔の為、前日から固形物を食べておらず、しばらくは点滴で過ごし、ずーっと、「お腹すいた、ケンタッキー食べたい。」そればかり言っていました。
瞼の上には縫合の糸のあともあり、腫れていて痛々しかったのですが、本人はさほど気にしていませんでした。
その夜、寝ぼけて瞼をこするんじゃないかとそればかり気になって、私はほとんど眠れませんでした。息子が寝返りするたびに、「目さわったらダメよ」と言っていたので、息子に「わかってるよ!」と煙たがられてました・・。
食事を摂れないためブドウ糖の点滴をしていたのですが、それを嫌がる以外は体調もよく、翌日には点滴も外れ、徐々に固形物を食べました。
食べてなかった衝動で勢いよく一度に食べたので、初回は少し戻しました。が、その後はゆっくり時間をかけて食べ、徐々に普段の食事がとれるようになりました。
先生の診察時以外は自由に歩き回れたので、院内の購買部やクリーニングにも一緒に行けました。腫れも徐々に引き、縫合痕があるだけで元気いっぱいでした。
退院
二日後無事に退院し、抜糸は地元の紹介元の病院でして頂くことになりました。処方されたのは抗生物質と、点眼薬、目の乾燥を防ぐ軟膏です。
退院時、まだ瞼の上は腫れていて糸も見えていたので、一応サングラスを用意していました。人目につきやすい電車の中ではかけていましたが、すれ違うくらいではわからないのでそれ以外はかけずに歩きました。
帰りの飛行機までたっぷり時間があったので、名所を観光し、息子が熱望していたケンタッキーを食べ、大好きな飛行機を空港でじっくりと見学し、旅(??)を満喫して帰りました。
術後の様子
息子は瞼に違和感もなく前よりも見やすくなったと言っていました。
執刀された先生の説明によると、今までおでこの筋肉で瞼を開けていたのが、前ほど使わなくても見えるようになるため、おでこの筋肉が休み、そのぶん瞼が下がって元と同じくらいの目の大きさに戻るとの事。
たしかに現在、目の大きさ(開き具合)は今までとそれほど変わってないですが、おでこのしわの寄り方、顔を上向きにする角度は明らかに緩くなっています。それだけ本人の負担が減っているのだと実感しています。
見た目よりなにより、それが一番良かったと思う部分です。
手術をしたことにより起こる弊害としては、自然に目を閉じたとき、完全に瞼が閉じないことです。特に疲れて眠っているときは力が抜けているので開いていることが多いです。
友達と遊んでいて、「ちょっと目つむって。」と言われた時、自分ではつむっているつもりでも、白目になっていて、「ちゃんとつむってないじゃんか」と怒られると言っていました。
「そういう時は、つむってるとわかるくらいぎゅって閉じたらいいよ」と伝えました。
それから、乾燥したりゴミが入るのか、目をこする事が多いです。家に居るときはアイボンをするか、目薬を差してあげるのですが、学校だと目をかく事が多いようで、先生に指摘されたことがあります。一応軟膏を持たせ、かゆくなったら塗るように、また、先生に、授業中でも塗ることを許可して頂きました。そろそろ自分で目薬をさせるように、今練習中です。
親として思うこと
「先天性眼瞼下垂」で検索してここに行きついた方もいらっしゃると思います。
眼瞼下垂は、これで完治という地点が無いのが悩ましいところですね。
私の勝手な持論ですが、わが子の為、親にできることで一番大切なのは、眼瞼下垂のことを子供にきちんと説明した上で、明るく健やかな心でいられるよう、悲観しない気持ちを育ててあげることだと思います。大きくなるにつれ、ちょっとした自分との違いを責めたりからかったり、悪く言ったりする人は必ずいます。その時、負けない心、強い心で立ち向かわないといけません。
子ども本人が自分の目のことを知らず、他の子にからかわれたら、ひどくショックを受けると 思います。誰にも言わず心に留めてしまうかもしれません。そうならないために、「あなたの目のことで何か言う人がきっと出てくるよ」と伝えておいてあげていた方が良いと、私は思っています。
「こんなことを言われたよ」と訴えてきたとき、「そんな・・ひどい」と一緒に悲しい顔をするのではなく、「そんなこと言うの!?今度言われたら言い返しちゃえ!」と明るく元気づけてあげる。「手術してこんなに目がぱっちりして可愛くなったんだから気にしなくていいんだよ!」と抱きしめてあげる。
親が悲しい顔をしたら、子供は(自分はすごくひどいことを言われた、お母さんも悲しくなるようなことなんだ)と感じてしまうと思います。
少なからず我が子は、そうやって育ててきて、明るく元気で、何か言ってくる子は論破できる(笑)子になりました。
※追記 先天性眼瞼下垂④術後6年
(補足→先天性眼瞼下垂 ~育成医療制度と高額療養費制度で医療費負担が減らせます~)