今、某女優さんが叱らない子育てをしているとバラエティで発言し、話題になっています。あまりにも叱らない、本人の自由主義の子育てに賛否両論な様子。
私の周りにも全く叱らないお母さんはいます。子どもはどう育つのでしょうか。
幼児期だから叱らない?
私は子どもが小さいころからダメなことはダメと教えてきました。赤ちゃんの頃でもお母さんの表情で、叱られているということはきちんとわかっていると思います。
我が子の場合
娘がまだハイハイの頃、私がキッチンに居るときなんだかおとなしいな?と様子を見に行くと、新築の柱にボールペンで落書きをしていて、私が「あーーー!!○○ちゃん!!!」と言ったら何とも気まずそうな顔をしたのを今でもよく覚えています。赤ちゃんながらに「あ、やっちまった」と思ったんでしょう。そのあと、小言を言うとしょんぼりした顔をしていました。
更に遡った生後6ヶ月頃。歯が生えてきた娘が授乳中に噛みました。私は思わず「痛!!!」と大きな声を上げました。そして「○○ちゃんがおっぱいを噛むと痛くて嫌だから、もう絶対噛まないでよ」と怖い顔で言い聞かせました。娘は苦笑いのような顔をして私を見ていましたが、それから卒乳するまで、一度もおっぱいを噛みませんでした。
3歳までは叱らずに育てる?
昔「3歳までは叱らずに育てる」というのが美徳のような時期がありませんでしたか?しかし、赤ちゃんでもきちんと言って聞かせればちゃんと理解してくれると思うのです。じゃあ、4歳になったら急に叱りだすのでしょうか。子どもは「今まで言われなかったのに、なんで急にダメって言うんだろう?」と混乱するのではないでしょうか。
脳科学おばあちゃんの久保田カヨ子さんが、以前テレビ出演でおっしゃっていました。「3歳過ぎてから叱ったって遅い。もう脳が出来上がってるもの。」と。本当にその通りだと思います。
叱らない主義の親 その子ども
ひとつの例として、私の友達にも「叱らない主義」のお母さんがいます。ただ、ほったらかしというわけではありません。なんだろう、よくある育児本をお手本にしたような叱らない育児法??
例えば、なにか危ないものを手に持っていたら「こっちで遊ぼうか」と他のおもちゃとすりかえる。友達を叩いたら、「はいはいこっちにおいでー」と抱っこして他の遊具のところへ連れて行く。おもちゃの取り合いになったら相手の子に「ごめんね、○○くんが遊び終わったら渡すからね」と親があやまる。
常に親が子供の気をそらしながら問題回避をしている感じです。
それが「3歳まで」と決めていたのかどうかは聞いていませんが、その子が4・5歳頃、やっと注意をし始めました。しかし決して叱るという感じではありません。他の子とけんかになったら「叩いたら痛いからね、叩かないで一緒に遊ぼうか」と、優しく笑顔で言い聞かせていました。
赤ちゃんの頃からこの友達とその子どもを見ているのですが・・・まず幼児期。
自分が気に入らないことがあるとすぐに部屋のすみっこに行き体育座りで泣き出し、自分の思い通りになるまで(ほかの人が譲歩するまで)動きません。しかもその「気に入らないこと」がとても些細なことなのです。
戦隊ヒーローの呼び名を間違えていて他の子に「違うよ」と言われたとか、戦いごっこの基地をここにしたのに友達の足がはみでていたなどなど。そのためすぐに遊びが中断してしまい、他の友達はシラーーっとなってしまいます。その間、お母さんはつきっきりで何か笑顔で言い聞かせていました。
そして幼稚園に通う時期になると、「幼稚園に行きたくない」と毎朝大泣きするそうです。そのお母さんは幼稚園に「行きたくないというのでしばらく休ませます」と電話をしたそう。すると幼稚園の先生に「それではいつまでたっても幼稚園に来れませんよ。なんとかして連れてきてください」と言われ、「ママも幼稚園にずっといるから一緒に行こう」と連れて行き、本当に降園まで何か月も一緒に付き添ったそうです。
そしてその子も小学生になり、久々にその友達親子と会いました。
「○○くん、今ちょっと登校拒否気味なんだ」と言っていました。クラスの友達に何か嫌なことを言われたそうで、毎朝「お腹が痛いから今日は学校休む」と言うとの事・・・。学校の先生からは保健室でもいいから登校する様言われているそうですが、1学期後半は登校させず、2学期から頑張ると言っていましたがどうなんでしょうか。
その日、一緒にファミレスに行ったのですが、その子はうちの子どもたちの料理を勝手に取って食べたり、大声で歌いだしたり、おまけのおもちゃを勝手に交換したりとやりたい放題・・・。息子は元来おっとりしているので、「別にいいよ~」とのんきに言っていたのですが、私はちょっと我慢ができず、「ほら、○○くん、他のお客さんもいるから立ち上がらないで大声出さないで自分の分を食べないと!」とその子に言ってしまいました。
そうするとその子は突っ伏して泣き出してしまいました・・・。
友達(その子のお母さん)は、苦笑いで「注意とかするとこうなるんだよね」と言っていましたが、私は悪いことをしたとは思わなかったので謝りませんでした。むしろ、(自分の子どもは自分で叱ってよ!)と腹が立ちました・・・。
叱られず育った子
他にも叱られずに育った子は何人かいますが、私が感じるのは、みんな『打たれ弱い』です。身近な人におこられた事がないので、免疫がないんだと思います。
ここまで読んで下さった方は『わがまま・自分勝手に育つのか』と思われたかもしれませんが、たしかにそれも少しあるかもしれません(笑)しかしこれは産まれ持っての性格も関係している気がするのです。
大きくなり、学校や地域などさまざまなコミュニケーションの場に出ていくと、今まで出会ったことのない種の人にも出会う事になります。悪気がなくても口調がきつかったり、底意地が悪かったり・・・。また、成長するにつれ、目上の人から怒られるハードルも高くなりますよね。スポーツのプレーでミスをした、課題をうまくこなせていなかった、頼まれた仕事で失敗をしたなどなど。
叱られず育った子たちは、他人に怒られたときや、きつい言葉をかけれらたとき、必要以上にびっくりし、落ち込んでしまう事が多いです。普段は口も悪く威張っているのに、他の子にちょっと言い返されると泣いてしまったり、先生に授業中の態度を注意されただけで午後からドンヨリと過ごしていたり。
叱る度合いは各家庭で様々ではあるでしょうが、全く叱らずに育てた先にある、社会に出た時の子供の苦悩を考えると、ちょいちょい雷を落としてあげた方が子供のためなんじゃないかと私は思っています。
うちの子どもたちなんかは、小さいころから私がガミガミ怒るもので、叱っても1分後にはケロッとしています。私の方も叱った事案が終わってしまえばすぐいつも通りに戻るのですけどね。